自営業の借入の年収というのはどこで判断されるのか
よく年収の3分の1まで借り入れができるというように言われていますよね。消費者金融系ではそれが当たり前になっていると思います。
私もそれは当然だと思うんですけど、ふと疑問に思うことがあるのでちょっと聞いてみたいのです。
例えば非正規社員の人、そして正社員の人なら給料があるので年収というのははっきりとわかりやすいと思うのです。
しかしはっきりとわからないのが自営業の借入の年収だと思うのです。自営業の借入の年収ってどこを見られているものなんでしょうか?
自営業の借入の年収は確定申告の所得の部分だ
自営業の借入の年収がどこを見られているかわからない、これはそのとおりだと思います。
そもそも自営業には年収というのははっきりとわかるものではありません。自営業の年収というと考えられるのは売上の部分かと思いますが、売上は年収ではありません。
そこから売上のためにかかった費用、いわゆる経費を引いていかないといけませんから、この経費を引いた分の所得というのが基本的に自営業の年収、というように考えるといいでしょう。
これは確定申告の所得部分だと言い換えることもできます。
確定申告の所得の部分となると、自営業の借入の年収としてはかなり低いものになってしまう、ということがわかるかと思います。
自営業例えば300万円の年収となると売上自体は1000万円くらい持っているようなことだって大いに有り得るのです。
しかし、売上自体は1000万円くらい持っているようなことがあっても、実際にはかなりの経費がかかっているわけで、その経費を差し引けば、年収は低くなってしまいます。
といっても自営業の場合はこの部分のコントロールはかなり自由にできるでしょう。
ほとんどの自営業者は経費をかなり計上していると言われています。
経費を計上しているということは年収が少なくなるということですが、この年収に当たる所得の部分が少なくなることで、税金を納める金額をかなり少なくすることが出来るのです。
ですから税金をなるべく収めないようにと、かなり頑張って所得を少なくするために経費を計上するようにしていると言われています。
ですのでこの経費の形状というのを少し少なくしていくと、それだけで年収もどんどん上がっていくのです。
もちろん所得が多くなればなるほど利益が大きいとみなされて、それに対して所得税だとか住民税といったものが計算されることになります。
しかし逆にその所得が多くなればなるほど、自営業の借入の年収は大きくなるので消費者金融などはプラスに考えるというわけです。(こちらもご参考に→年収と借入についておすすめ記事)
ここでポイントになるのは所得をいかにコントロールするかということです。
借金をたくさんしたい!というのであれば、その時には所得を増やして経費を減らすのがよく、逆に所得を減らすことによって税金を減らすことが出来るということです。
この辺りは自営業ならではのテクニックといえるでしょう。
自営業の借入の年収というのはできるだけ増やしておいたほうがプラスですから、借入をするときには経費を減らす努力をしましょう。
【参考ページはこちら】
年収400万円の人の平均借入限度額は?
自営業の借入の年収の審査に対する影響について
自営業の借入の年収についてですが、その金額はもちろん大きい方が審査に通りやすい傾向はあります。
しかし、それだけでは借りられるというものではありません。その理由は、安定性が求められるからです。
サラリーマンはお金を借りやすいと言われることが多いのですが、これは収入が安定しているからです。
サラリーマンよりも借りやすいのが公務員です。
サラリーマンなら景気が悪くなると会社の業績が悪化して言及になることも想定されますし、またリストラの対象となって収入がなくなることもあります。
その結果、返済ができなくなることも十分に想定されるのです。
公務員は、財政再建のために給与が減ることもありますが、よほどのことがない限り収入が全くなくなることは考えられませんから、安定性は高いです。
自営業の場合、儲かるときもあれば儲からないこともあるのが普通です。
時期によって売り上げが変わることが多いですから、特定の時期には多くの売り上げがあったとしても、一時的に売り上げがなくなってしまうと言うこともあり得ることでしょう。
また、景気の影響を受けやすいですから、安定性は低いと考えられます。
個人向けの融資の多くは、毎月少しずつ返済をしていくタイプのものです。
ですから、ある月に収入が低くて返済がで英なくなるというのであれば、審査には通らないことが多いでしょう。
このような意味でも、自営業を行っている人は不利だと考えられます。そのために審査に落ちやすくなることは否定できません。
特に、住宅ローンは借りにくいと考えられます。住宅ローンは最長で35年の返済期間があるのが普通です。
自営業を行っている人が、35年にわたって安定して返済していくことができるとは判断されないことが多いのです。
年収が大きくても住宅ローンを組めない人がいるのは、このような理由があるからです。
カードローンなど、少額の融資の場合には審査に通ることもありますが、この際に注意しておかなければならないのが利用使途です。利用使途とは、つまり使い道です。
借りたお金を何に使うのかと言うことで、これは制限されていることがあります。
たとえば、法に触れるような使い方はたいていの金融機関で禁止されています。これはわざわざ言うまでのことではありません。
個人向けのカードローンでは、それ以外にも事業資金として用いることが禁止されていることもあります。これが自営業の人にとってネックになることが多いのです。
自営業を営んでいれば、生活費と事業資金とを明確に区別できる部分もあれば、そうではない部分もあります。
たとえば家賃は居住をするために支払っているわけですが、自宅を事務所にしている場合には、事業目的だとも言えるでしょう。
会社設立をしているのなら経理もしっかりとしているでしょうが、個人事業主として経営を行っている場合にはなおさら区別は難しいものです。
仕事に必要な機器を購入するためにお金を借りようと思っているのなら明らかに事業資金ですが、このように明らかではない場合も多くあるのが自営業者の悩みどころだとも言えるでしょう。
そのために、事業に用いることを禁じられると借りられないこともあるのです。
もう一つ注意しておかなければならないのが総量規制です。
総量規制は貸金業法が改正されたときに導入されたものですが、これは年収の3分のまでに借入金額を制限するものです。
たとえば、年収が600万円の人なら200万円までしか借りることはできません。事業として用いたいと思ったときには、200万円では少なすぎると感じる人も多いのではないでしょうか。
自営業を行っていれば、節税は少なからず行うでしょう。そのために、年収をわざわざ低くすることも多いのです。
年収が大きくなるだろうと思われたときには設備投資をして年収を下げるといった税金対策は誰しも考えるものです。
このようなことから、借りられる金額が不十分になるケースもあります。
どのように考えてみても、自営業者は借入をするのには不利だと言うことが分かります。では、必要な資金を調達するためにはどうすれば良いのでしょうか。
その方法として自営業者向けのローンを利用することが一つの方法としてあげられます。
総量規制は個人向けの融資に対する規制ですから、事業を行っている人に対しては規制はかかりません。
ただ、一般的なキャッシングやカードローンといったサービスは個人向けに商品開発が行われているのが普通ですから、普通のサービスを利用すると制限がかかるという点に注意が必要です。
自営業者のために開発されたローン商品を利用するのが良い方法の一つです。
もう一つの方法は貸金業者を利用しないことです。貸金業法は貸金業者に対する法律です。
金融機関は日本にいくつもありますが、これらはいくつかの種類に分けられます。
お金を借りるというと、銀行や信用金庫などの預金取扱金融機関をイメージする人も多いですが、それとは別に貸金業者があります。
貸金業者を代表するのが消費者金融です。消費者金融は日本にたくさんありますが、これらは貸金業者として登録して営業をしています。
また、最近では異業種が貸金業者として登録するケースも珍しくはありません。
たとえばクレジットカードでキャッシングを利用することができますが、これも貸金業者として登録をしていますから、本質的な部分では消費者金融とは大差ありません。
貸金業者の代表的なものは消費者金融とクレジットカード会社だと考えておくと良いでしょう。
総量規制は貸金業法で定められていますから、貸金業者でなければ規制の対象とはなりません。
つまり、銀行や信用金庫などは対象外となるのです。銀行は銀行法という別の法律で規制されていて、そして信用金庫もやはり別の法律で規制されています。これらの法律には総量規制はないのです。
このように、貸金業者には特別に規制が定められていることを不公平だと考える人もいるようですし、政治的な配慮があったと考える人もいるようですが、主な原因は多重債務者が増発したことです。
消費者金融と言えば審査が甘いことで有名ですが、審査が甘いために借りすぎてしまう人が続出した時期があります。
借りすぎた結果として返すことができず、自己破産などの債務整理に陥ったのです。
借金が返済できなくて自殺すると言ったニュースが流れたこともあります。
このようなことが社会全体の問題となったこともあって、規制の必要性が叫ばれるようになり、改正と同時に導入されたと考えられます。
消費者保護は国の責任だとも考えられますから、導入する根拠としては十分でしょう。
銀行は審査が厳しいですから、このようなことは起こらず、そのために規制は導入されなかったと考えられます。
理由はともかくとして、銀行や信用金庫など、貸金業者以外の金融機関には総量規制が導入されていませんから、年収による制限はありません。
消費者金融から借りようと思っても十分な資金を借りることができない場合には、銀行や信用金庫に相談してみるのも一つの方法です。
銀行は審査が厳しいと言われることが多いですが、銀行にも種類があるという点に注意しておきましょう。
メガバンクなど、規模の大きい銀行はやはり審査が厳しい傾向があります。
これに対して、地銀と言われる銀行はどちらかというと審査は甘く設定されていることが多いです。
その地方だけで経営を行っている銀行の方が診査は甘いですし、信用金庫など、銀行以外の預金取扱金融機関も同じように甘めです。
ほかにも、公的な金融機関から借りるという方法もあります。社員を雇っている場合には良い条件で借りることができるケースもあります。
社会保険に加入するなどの条件がある場合もありますが、一般的な銀行で借入をするよりも有利な場合が多いですから、公的な金融機関に借入の申し込みをするのも良い方法です。